登場人物紹介









April 1st,26,in Dolphan ela,

ドルファン歴D26年4月1日

an asian was about to immigrate to the Dolphan Kingdom

一人の東洋人がドルファンへ入国しようとしていた

as a marcenary

傭兵として――




『本船は、ただ今ドルファン港に
 到着いたしました
 下船の際には……


 やっとドルファンへ着いたか。この時代遅れな異国の地で、新たなる俺の歴史が始まるのだ。  ま、俺様の完璧な能力とそこそこ便利なアイテムがいれば、この国でも伝説の英雄になってしまうのは確実なこと250%だがなうわははは!
 なに、アイテム扱いするな? 虫と呼ばないだけ有難く思え。  え?  西欧に初めて来たときと性格が全然変わってないだと? 当たり前だ、なんせ俺だし。  理由になってない? 気にするな。

「すいません、あの……出入国管理局の者ですが、外国人の方ですよね?」

 ……あっと、虫に気を取られて目の前の人に気づかなかったぜ。
 づおっ! 激烈に痛いから髪は引っ張るな、髪は! ええいどかんか!

「こちらの書類に、必要事項の記入をお願いいたします」

 俺は天才的な筆跡を残しつつニ秒で書き終えた。

「えー…貴方は傭兵志願ですね? では書類の写しを軍事務局へ回しておきます。
「ようこそドルファンへ。貴方にご武運がありますよう、お祈り申し上げますわ」

 そして俺(及びその他一匹)が波止場へ降りると、船はすぐにドック方面へと去っていった。せわしない奴らだ。少しは俺のナイル川のように雄大かつ偉大な生き方を見習うべきだな。
 さーて俺の宿舎はどこだっけか。そういやさっきの管理員に地図を貰ったんだったな……。

「いやっ、は、放してください!」

 ふん、これがドルファンか。地図上じゃなかなか整った町並みをしてるが、中身はどうだかな。

「ひ、人を呼びますよ!」
「へへ、叫んだってここにゃ俺たち以外だ〜れもいやしねーよ!」

 傭兵宿舎は……ん、見え辛いな。文字がインクで黒ずんでやがる。不良品かこの地図。

「そんな……」
「なあ姉ちゃん、ちょっと俺たちとお茶するだけだってんだからさぁ」

 これは、念入りに見んとわからんな。太陽に透かしてみるか…

「だ、だからそれは……」
「ほら決まり決まりー、さ、あっちの倉庫に行くぜ!」
「 う る せ ー ! ! 」
 俺はあまりの雑音に耐え兼ね、抗議の叫びを上げた。不快音の元凶どもがあっけにとられた風でこちらに振り向く。
 今まで不快なので視界に入れていなかった集団の構成を詳しく分析する。人が4人、不細工3つと女だ。
 全然詳しくないって? 気にするな。
 ニ秒ほど経って、赤髪モヒカンの不細工がこちらへ向かって偉そうに歩いて来た。
 何か用か、ああその前に不細工は

「てめぇ、なぁに言いやがった? 文句あるのかぁ、その面
BAGOOOOOOOOOM!!!

ひゅるるるる
ぼちゃーん

 俺のスーパーグレートダイナマイトパンチを受け、不細工は空中高く舞い上がった後海へと自由落下した。だから不細工は喋るなと言っただろーが、耳が腐る。
 こきこきと拳を鳴らしつつ、俺は残り三人になった不快集団の方へと振り返った。
 が、既にチンピラ達は逃げ去っていたらしく、そこには誰もいなかった。逃げ足だけは速い奴らだ。

「あ、ありがとうございました…」

 と、まだ一人残っていたようだ。

「あの…改めてお礼に伺いたいので、せめてお名前だけでも教えて頂けますか? あ、すいません……。私、ソフィア・ロベリンゲと申します」

 は? 

ピコーン
◆貴様に教える名などあるものか
◆(無言で叩き斬る)
◆汚い名前だ

 おっ、三択が出てきた。俺が他人と二人きりで会うときには、なぜか大事な場面で相手の胸元に妙なフレームが出て、俺の心情を的確に反映した三択が出てくるのだ。これが出ると他に選択の余地はない。四択もごたくもない。理屈はさっぱりわからんが、俺自身にも予想外の選択肢が表示されることもありなかなか興味深い。

 俺は次期聖騎士間違い無しの完璧傭兵として適切なことこの上無い選択肢を選んだ。

「貴様に教える名などあるものか!」
「………。
 助けて頂いてありがとうございました失礼します!」

 俺の適切な答えを聞くと、何故か女は意味不明の暴言を吐き、心持ち眉をしかめ、きびすを返し立ち去っていった。
 なに、キミも硬派だねだと? 当たり前だ。でなぜ呆れた顔をする。
 さて、宿舎はと。シーエアー地区か。俺もこの陰気くさい港をさっさと出るとしよう。


ガサッ
ゴトゴトッ



 ……今何か、音がしたか? 再び海に向かって振り返る俺、そこに見えたるは変わり映えのしない灰色の桟橋と灰色の箱。……箱?
 俺は足を再び港へと向け、桟橋の方へ歩み、『箱』に向かって少し実験をしてみた。

「おい」
『…………』
「おーい」
『………………』
「おーーーーい」
『…………』
「チンピラの一味か、叩き壊そう」
『す、すいません! 違います!』
『箱』はパカっと開き、中から水色の髪を持つ美少女が出てきた。ってオイ。
「あー、その、君は?」
「す、すいません……その、覗いたりして……」
 いや、それはいいんだが……。というか何故そんな所にいるのだね君は。
「あ、あの……女の子を助けた時のあなたって、すごく、その、素敵でした……」
「はあ」
 
「わ、わたし、…アン、と言います。
 よ、よろしければ……その、お名前をお聞かせください!」

ピコーン
◆(本気で突き落とす)
◆教えない
◆書く

 面白そうなので3つ目を選んだ。

「名前と住所だ」
「きゃ! な、なにを…………え……」

 俺は娘の白魚のような腕を引っ張り、その傷のかけらも見当たらない手の平に、グレート美しい字で名前を無理矢理書きこんだ。

「これで忘れないだろ。ちなみに水で洗いつづけても三ヶ月は消えん、特製のペンだからな」
「あ……ありがとうございます! わたし……感激です!」

 アンと名乗った少女は喜んでいるように見えた。本気かよ。なかなか奇特な性格の持ち主だな、仲良くやれそうだ。

「後で中元と暑中見舞いと誕生日プレゼントを出すので、三倍返しにするよーに」
「はい! ……あの……その……その……」
「ん……? まだ何か?」
「あ、あの……わたしと、…友達になっていただけないでしょうか!」

 アンは捨てられた子犬のようにつぶらな瞳を潤ませ、懇願してきた。
 だが三択が出るまでもなく、答えは既に決まってる。

「話を聞いとらんのか、今言っただろ」
「……え?」 
「ふつう、友達未満の奴に暑中見舞いは出さん」
「……あ……ありがとうございます! わたし……わたし……グスン……感激です! ……あの…本当に、よろしくお願いします!」

 言って、アンだかダイアナだか言う娘は逃げるように去っていった。なかなか面白い奴だ。この国の人間がああいう手合いばかりなら、なかなか貴重な経験が出来るかもしれん。
 ところで『女の子を助けたとき』っていつのことだ? スィーズに居た時そんなことをやったかなあ…
 俺はそんなどうでもいい疑問に悩みつつ、宿舎へと歩き出した。





そして、何故箱?




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